てい鍼とは

てい鍼とは、中国の古典「霊枢」の古代九鍼の中のてい鍼に起源を発します。

現在、鍼灸治療で一般に使われているものは豪鍼という刺入する鍼ですが、てい鍼は先端が丸くなっている刺入しない、刺入できない鍼です。

「てい」とは金属製のおさじを意味しますので、金属でできたさじ状の鍼が元々の意味です。具体的には先端に小さな球を付けた棒状の鍼が原型ということになります。

古典では、てい鍼は経脈の気を調節する鍼との記述がある通り、気血の調整がその主な働きです。

てい鍼と言っても、現在では実に多くの種類が作られています。バネ式てい鍼のような一定圧がかかるように工夫された部品構成型のものや、単一の材料で作られた一体型てい鍼等があります。

後者には考案者の苗字を冠したてい鍼がいろいろと市販されています。先端の形状にも球形、円形、卵形等種々あり、材質によっても金、銀、銅、アルミ、チタン、真鍮等があります。

てい鍼は本来の機能を果たすべく作られたものですが、その前に気持ちよい刺激を与えることができることと、効果的でしかも安全であることが求められます。

古代九鍼とは

1.鈹鍼
2.鋒鍼
3.ざん鍼
4.長鍼
5.大鍼
6.毫鍼
7.員利鍼
8.員鍼
9.てい鍼



てい鍼の種類

材料・材質

てい鍼種類・材料

金、銀、チタンが代表的なものです。その他、銅、ステンレス等があります。

現在、金には18K、20K、24K(ヤキ)を使用しています。また、銀には925、純銀(サラ)を使用します。

金の特性はよく展がる性質(展性)を利用して金箔等に加工されています。

てい鍼としての特徴はその柔らかさ、人体に対する優しさ・なじみの良さ、エネルギーの強さ(高いプラス電位差を生ずること)と酸化しない(錆びない)ことです。当然、金の純度が高ければ高いほどこれらの性能は向上します。プロの鍼灸師として、ぜひとも1本は金のてい鍼を手元に置きたいものです。

銀もその特性は金に次ぐ性質を有しています。硫黄雰囲気中で若干硫化し黒く錆び易いデメリットはありますが、金よりお求めやすいという点で根強い人気があります。

金属としてのチタンは軽い、強い、錆びない、溶けない、人に優しいなど金・銀に引けをとらない優れた特性を有しています。てい鍼としての特徴は硬くて軽いタッチの刺激が得られ、使い易く携帯性に優れています。お求めやすく、はじめて使用する方にはお薦めのてい鍼です。

形状

てい鍼形状

一般的な形状には2種類あります。すなわち柳葉形(右下図)、スリオロシ形(左上図)です。

柳葉形(右下図)は先端部分が曲面仕上げになっていますので、皮膚にピタッと触れる感じがします。

いかにもてい鍼らしい柔らかな上品な印象を与えます。また、削る量も少ないため歩留まりが向上します。

スリオロシ形(左上図)は先端部分が直線仕上がりに近い形状です。シンプルで凛々しい印象を与えます。

いずれの形状も他端は半球状の仕上がりになっています。通常は図の右端径(先細り側の直径)はφ1.5~2.5mmですが、より刺激を強くしたい場合はこの先細り側の直径を小さくします(φ1~1.5mm)。


てい鍼の強み

てい鍼という「刺さない鍼」が「刺す鍼」と同等以上の効果を発揮する妙と、また誰でも扱うことができる至便性が大きな特長と言えます。

“鍼は痛い”という恐怖心を払拭することができます。

通常の鍼治療には豪鍼という刺入する鍼を用います。 誰でも体験したことがある「注射」がありますね。「針=痛い」という先入観がうえつけられていますので、鍼灸治療で使う細い鍼でさえもある程度の痛みが伴うと考えるわけです。 一方、てい鍼は刺すようには作られていません。先端が丸く加工されていますので、痛みを伴いません。 患者さんに治療する前にてい鍼というものを実際に見せて、刺さらないことを実感してもらえば、それだけで緊張が解けます。リラックスした状態で治療に臨んでもらえますので効果も期待し得るというものです。

衛生的で、安全な手法です!!

てい鍼は皮膚に刺しませんから、通常の鍼のように刺入中に鍼が曲がったり、折れたりして重大な事故につながることはありません。 また、B型肝炎やエイズなどの感染症に対する心配も皆無です。 患者さんのとっては安全・安心がもっとも大事なことです。

てい鍼は練習すればだれでも上達することができます。

擦ったり、押し付けたり、軽く叩いたりして物理的刺激を与えることにより気血のめぐりが調節できます。また、てい鍼で気を操作することも可能となります。 あなたが習得したレベルに応じた治療効果が期待し得るのも大きな強みと言えます。治療の差別化を図りたいあなたにこの強みを活かさないということはありえません。

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